絶対シネマ(映画)感!

TV映画製作者のマスコミ試写レビュー ★キヨフィル★ シネマの虎

PC画面しか映さない驚愕の映画「search/サーチ」SNS依存症が起こす事件

世の中のことすべては、あなたのスマホの中に存在する。
だから起こった出来事や事件は何から何まで、
今あなたがご覧の、そのPC画面(またはスマホ、携帯ブラウザ)だけで
すべてお伝えすることは十分に可能なのです。


PC画面しか映さない驚愕の 映画サーチSNS狂失踪事件

 

この映画は #全編PC画面のみ で完結する驚愕の本編。

#既読スルー #不在着信 #いいね!しました #なんで返信しない
現代最悪の精神性ストレスフルなSNS病を鋭く突いた一本。
しかし結局、本当に大事な場面では
#メール #LINE #直電 に気づかないのだ!

本当にこの通信コミュニケーションは人類にとって正しい形なのか?
真のリアルはPC画面、スマホ、LINEの外側にあるのではないか?
そんなことに気付かせてくれる傑作ミステリー映画です。

「search/サーチ」
監督:アニーシュ・チャガンティ
出演:ジョン・チョー/デブラ・メッシング/
   ジョセフ・リー/ミシェル・ラー(原題:Searching)

2018年10月26日(金)全国ロードショー

 

清藤誠(キヨフジ☆セイジ)
アート&シネマ・テラー。大阪・高槻市生まれ。
http://kiyofuji.tokyo

食べる女とチューリップ・フィーバー 〜現代女子大図鑑 & 禁断の愛〜


食べる女とチューリップフィ ーバー女子大図鑑&禁断の愛

女が一体何を考えているのか? その丸裸な本音が見事に具体化された一本。
まるで女の大図鑑のような群像劇。脚本家・筒井ともみの集大成「食べる女

食べるシーンというのは映画やドラマではたくさん出て来ます。
おそらく脚本家の筒井ともみさんも、たくさん食事シーンを書いたんでしょう。それとともに恋愛。食事・恋愛・セックス・悲劇というのは、もう映画やドラマではワン・セットなんですね。
だからこの映画の底に流れているのは 食べるセックス なんです。
男女という性別と食べるという行為から見える様々な 人間模様 が面白いんです。


食べる女」2018年9月21日 ROADSHOW
企画・原作・脚本・プロデュース:筒井ともみ/監督:生野慈朗
出演:小泉今日子 沢尻エリカ 前田敦子 広瀬アリス
山田優  壇蜜 シャーロット・ケイト・フォックス 鈴木京香

17世紀オランダ絵画フェルメール の絵を再現しているかのような画面作り映画「チューリップ・フィーバー 」ポイントはその美術イメージ、そして秘められた恋の壁を乗り越える禁断の愛のサスペンスフル物語。


このためだけのためにでも劇場に足を運ぶべき!という
至極のカットバック(別のシーンを短く切り返す)シークエンスがあります。
それは富豪の夫婦の肖像画作成中に夫の目を盗みながら、目を見つめ合い、
モデルの夫人と画家の視線の交差、肢体を見つめ、視線を投げかける。
画家とモデルであれば、なんら問題のない仕草と、その何時間かあと
(翌日なのか)画家と二人きりになり、服を激しく脱がせ、
抱き合うシーンとが短いカットバックで交差する・・・
そのカット編集+時間+気持ち流れ方が、とても成功している映画です。

『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』
出演:アリシア・ヴィキャンデルデイン・デハーンクリストフ・ヴァルツ
原作・脚本:デボラ・モガー 監督:ジャスティン・チャドウィック
配給:ファントム・フィルム 提供:ファントム・フィルムハピネット
2018年10月6日(土)新宿バルト9他、全国ロードショー!

清藤誠/キヨフジ☆セイジ
(アート&シネマ・テラー/TVディレクター)
http://kiyofuji.tokyo

泣き虫しょったん 優作と龍平 世代を超えて父と息子の共演

勝負とは相手の気持ちなど考えず、人を蹴落としてでも出世のために攻撃する。

それが世の中で出世し、のし上がっていくことなのだ。

しょったんは小学生の時から20代の半ばまで将棋しかやってこなかった。

天才少年ではあったけど、大事な時に負ける。将棋はめっぽう強く、唯一の取り柄ではあるが、いざ勝負のときに、相手の嫌なところを攻めて、汚い手を使ってでも勝つという意地汚さがなかった。

奨励会 といういわばプロ将棋業界の既得権益の構造・・・

これは

日本の世の中のすべてに通じることだが、

試験に受かって出世した人々の権限が奪われないようなシステム、
その社会の悪しき構造をこの映画はするどく突いている。


 

 

もう一つのポイントはキャスティングだ。主演の松田龍平以外にも、そうそうたる主演クラス級の役者が脇役で出演している。この映画の主人公しょったんが将棋を最初に教わり、そして将棋をつづけていったらいいよ、と応援してくれるのが國村凖演じる父親。父と子の関係は、熱くこの映画の後半に効いてくる。

主演・松田龍平が最後に勝負に挑む、どうしても負けられない、
そんな試合の瞬間、カメラは将棋台を前に俯く龍平の横顔を映し出す。
そこに 松田優作 の顔が現れてくる。それは80年代の文芸映画、森田芳光 の「それから」に主演した優作の顔である。

「それから」は夏目漱石の原作を忠実に映画化した、

カメラアングル、セリフの立て方、など小津安二郎を完全リスペクトした作品。

当時の優作とほぼ同年齢となった、

この泣き虫しょったんの龍平の淡々とした表情の中に、はっきりと父・優作の顔がとらえられている。

役上の亡き父・國村隼のためにがんばるしょったんは、ある意味、もう一方で映画の外側、彼の本当の父親、優作のために戦う龍平がある

森田芳光の30年以上前の映画「それから」に登場した重要な役者に、小林薫イッセー尾形がいる。この「しょったん」でも将棋教室の先生役として二人は共演している。

父と息子の世代と時間を超えた共演である。(また、しょたんの母役である美保純も、それからに優作のお見合い相手として出演)

何より、このしょったんの父親役・國村隼は、

松田優作の遺作となった「ブランクレイン」で、

優作演じるヤクザの子分役として、國村は優作と共演しているのだ。

そんな映画の外側を知らなくても、涙が出る映画である。

しかし役者たちの外側に流れる関係性を少し知っていれば、もっと泣けるだろう。

そんな「泣き虫のあなたに奇跡がおとずれる」とっておきの映画。

2018年邦画の中で、ベスト3に必ず入る傑作!

 

泣き虫しょったんの奇跡」監督・脚本:豊田利晃 音楽:照井利幸

出演:松田龍平 野田洋次郎 永山絢斗 染谷将太 妻夫木聡 松たか子 

イッセー尾形 小林薫 國村隼  2018年9月7日〜 全国ロードショー

 

清藤誠/キヨフジセイジ http://kiyofuji.tokyo

深堀!万引き家族 (#ネタバレあり) 観客に二重で投げかけた衝撃!


深堀!万引き家族※ネタバレ 衝撃のあなたの心も明らかに

#万引き家族 はなぜ #カンヌ国際映画祭 海外で評価されたのか?

( #ネタバレ あり)

1・それは本物の家族なのか?

2・少女を“万引き”するシーンの謎

3・なぜ途中に #ドキュメンタリー演出 が入るのか

4・#映画の結末 はどう考えるべきか?

5・エンディング一つの正当な解釈

 

撮影カット・編集・脚本で読む、 観客に二重で投げかけた衝撃。

血のつながる本当の家族と犯罪でつがる他人と何が違うのか。

観客の人間性・倫理観を問われる、 撮影・画面サイズに仕掛けたねらい・・・など。

 

万引き家族』2018年6月8日(金)より全国公開中!

出演:リリー・フランキー 安藤サクラ 松岡茉優 樹木希林

監督・脚本・編集:是枝裕和 音楽:細野晴臣 配給:ギャガ

 

※動画には映画のネタバレを完全に含んでいます。
これを見て本編を見ていただく方が、
より一層、映画の本質を味わえるかと考えています。

 

「絶対シネマ感!ネタバレあり深堀シリーズ
 〜シネフィルは二度視す〜」

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あなたの深層 心理が暴かれる絶対シネマ!2重螺旋の恋人


2重螺旋の恋人あなたの深層 心理が暴かれる絶対シネマ感!

 

まぼろし」「スィミング・プール」の

フランソワ・オゾン最新作は、

顔も背格好も同じ双子の精神科医と恋に落ちる、

優しさと凶暴性の間で揺らぐある女性の物語。

 

今回もRー18指定で、ぐいぐい引き込まれる。

一度も見たことがない映画なのに、

デジャヴ(既視感)を覚えるのは何故だろうか。

実はあなたが見ている人物や事象やそれは、

自分の心の願望が錯覚を起こさせているのである。

 

「2重螺旋の恋人」
監督・脚本:フランソワ・オゾン
原作:ジョイス・キャロル・オーツ「Lives of the Twins」
出演:マリーヌ・ヴァクト、ジェレミー・レニエ、
   ジャクリーン・ビセット、ミリアム・ボワイエ、
   ドミニク・レイモン
2017年/フランス/原題:L’amant Double
配給:キノフィルムズ[R—18]


2018年8月4日(土)より
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中

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共犯・金銭・愛憎、家族・人間関係のつながりの本質とは何か?


絶対映画館!今、生きている映画を!万引き家族〜女と男の観覧車

万引き家族』(監督・脚本・編集:是枝裕和)。

家族という虚構で描き切ったニッポンの深層。共犯・金銭・愛憎、人間関係のつながりの本質とは何かを問う傑作。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。これまでの是枝作品「ワンダフルライフ」(1998)、「誰も知らない」(2004)、 「そして父になる」(2013)、「三度目の殺人」(2017)の表現手法を結集させた珠玉の一本だ。(2018年6月8日(金)より全国公開中!)

 

『30年後の同窓会』(監督・脚本:リチャード・リンクレイター

“50才のスタンド・バイ・ミー”と謳われているが感動だけではない、しみじみ深い映画だ。ベトナム戦争イラク戦争というトラウマを抱えたアメリカの、軍を持つ国で生きる人々の心を描いた良作である。エンド・ロールで流れるボブ・ディランの「Not Dark Yet(ラリーの遺言)」が味わい深くなる。(6月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショー!)

 

『女と男の観覧車』ウディ・アレン通算48本目の監督作品は、味・濃い目である。


40代ケイト・ウィンスレットと30代ジャスティン・ティンバーレイクの事情たっぷりの恋・不倫だ。撮影監督にベルナルト・ベルトルッチ暗殺の森」や「ラストタンゴ・イン・パリ」、フランシス・F・コッポラ「地獄の黙示録」のキャメラマンヴィットリオ・ストラーロを起用。人間関係の不祥事、不倫・こじらせ事情に効く一本である。(6月23日(土)、丸の内ピカデリー新宿ピカデリーほか全国公開)

 

オンリー・ザ・ブレイブ』(監督:ジョセフ・コシンスキー


山火事はどうやって消すのか?森林消防隊の実話がベースになった傑作。「セッション」「21オーバー 最初の二日酔い」主演のマイルズ・テラーと、「ノーカントリー」「エベレスト3D」のジョシュ・ブローリンが、若手とベテランで激突する。きっと見る者に、仕事への取り組み方と生き方を見直すことのできる、貴重な時間を提供することだろう。(6月22日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開)

 

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果たしてあなたはどこに位置する人間か?が問われる映画

東京湾に突如現れた未確認巨大生物シン・ゴジラ

その解析のために集められた有識者3名のうちの3番目に登場する

生物学老教授・塙(仮名)こそ、何を隠そう1987年公開の

伝説的ドキュメンタリー映画ゆきゆきて神軍」の監督・原一男である。

その原一男の23年ぶりのドキュメンタリー「ニッポン国VS泉南石綿村」が

公開されている。謎の未確認巨大生物を軽々と凌駕する傑作である。

アスベスト被害の裁判を追ったドキュメンタリーと聞いて、

関心があるかどうかで迷っている場合ではない。

この映画は、すべての人間にとって

「自分が一体何者なのかをはっきりさせる」圧倒的なパワーに満ちた、

まるで現実の人間描写エンターテインメント巨編と言い切って過言ではない

 

本編が215分、3時間35分あるが、見はじめた途端、

最後まで駆け抜ける映画の力は尋常ではない。

インターミッションを挟み、そこでやめられる状態にはならないだろう。

 

「何、撮ってんですか!」「映さないでください」と、

カメラの前に晒される人物に微動だにせずレンズを向け続ける、

いわゆる原一男タッチは今回も健在である

国策による産業開発で人生の大部分をその労働に捧げ、

結果アスベスト被害にあった人たち、そしてその家族・周辺に暮らす人々たち

被害者側から、カメラはその訴えに寄り添い続ける。

しかし淡々と、延々と寄り添い続けることで、

やがてもう一つ向こう側の立場の目線にも感情を移さざる得なくなる

 

それは、こちら側の自分が必ずしも、立場が同じ

”被害者ではない”からかもしれない。

 

我々は映画を傍観することで、延々と執拗に訴え続ける被害者側立場の視点が、

やがて向こう側の「訴えられる人々」の立場や気持ちにも、

何故かわずかに共感する最悪の気持ちを自分の中に発見することになる。

 

なぜなら観客は、映画の中の特別な被害者ではなく、

ほとんど多くはその事実があったことさえ知らなかった、

あるいは情報としてしか知らなかった門外漢であるからだ。

訴えを受ける役人、官僚、政治家たちが、必ずしも「悪」ではなく、

その本来は嫌悪するべき、悪の立場の気持ちにさえわずかながらの同情、

そして「悪者側へのありえない共感」という逆転的、

複眼の多重視点さえ生みだす映画的到達点をこの作品は達成している

 

この映画を見ているあなたは果たしてどこに位置する人間なのか?

被害者か、弱者か、ただのクレーマーか。クレームを処理する事務方か、

役人か、それなりの給料をもらい日々の生活を堅実に守る生活労働者か。

はたまた権威ある官僚や政治家か、

あるいは様々な気持ちもわかるにはわかる偽善者なのか?

 

自分が生きる人生の中で、

これほどまでに”自分が何者なのか問われる”ことは稀である。

だから今この映画を見ること、その時間は本当に”貴重な人生経験”と言えるだろう。

ふたたび「シン・ゴジラ」の話に戻るが、

真逆のエンターテインメント作品の中で、生物学老教授・塙(仮名)を演じる

映画監督・原一男は、東京湾に出現した未確認巨大生物(ゴジラ)画像の

印象解析を問われ、このようなセリフを発するのである。

 

そもそもあの映像が本物かどうか。実証もなく憶測で判断しては、

もはや生物学とは言えんでしょうが!

 

そしてこの「ニッポン国VS泉南石綿村」は、

そもそもこれがあなたにとって本物かどうか、

実証もなく(映画本編を見もせずに)憶測で判断しては、

もはや真実が何なのか何も言えない」・・・でしょうが!

「ニッポン国VS泉南石綿村」監督:原一男

2018年3月10日より東京・渋谷ユーロスペース他、全国順次公開!

 

 

フォーサイトフォーチュン 映画と経済と運勢学 – 世界の歴史的転換期にあなたは何を想う。アート・映画・本と猫(絵)/経済・歴史認識/占う・運勢学/禅・人間関係 KIYOFUJI OFFICE<foresight fortune> 【自分を知る・心を繋ぐ・未来を読む for Site, for Tune】